2016年度 活動日誌

3月 活動日誌

2017年3月
GJOコーディネーター 十亀 侑子

基本的に、トルクメニスタンでは学生たちが様々な行事に参加することが非常に多いです。「ボランティア」の定義も私たちのものとは全く違います。「ボランティアというのはね、自分の意志で…」などと当初言っていた私も、こちらの「ボランティア」の定義に慣れました。トルクメン英語で行事のことをsocial eventとIUHD (International University for the Humanities and Development)の先生や学生たちは呼んでいます。トルクメン語では??reと言い、「アクティビティ」と辞書(Peace Corps turkmenistan編著「Turkmen-English English-Turkmen dictionary」)では翻訳されています。「トルクメン英語」という表現が適切であるかどうかはわかりません。しかし、「イギリス英語」「アメリカ英語」「オーストラリア英語」「シンガポール英語」「フィリピン英語」と、英語にバラエティがあるように、私はこちらで独特に使われる英語の表現を「トルクメン英語」と呼んでもいいのではないかと思っています。もちろん、こちらの人に悪く思われてはいけないので、心の中でしかそのように呼びません。

日本語を勉強していない学生は私を「Yuko teacher」と呼びます。トルクメン語には日本語の「先生」と使い方が同じ「mugallym」という単語があります。職業名でもあり、先生を呼ぶ時に用いる敬称でもあります。食堂はcanteenで、体育館はSport complexで、寮はhostelと言います。学長をpresidentと呼ぶと話が混乱します。Rectorです。そしてfacultyとdepartmentの両方が存在するので、初めのころはどちらがより高いレベルの組織なのか、何がどちらに含まれるのか、謎でした。私の所属は、Department of Social Science のFaculty of International Law and International RelationsのInternational Law Departmentです。最後のdepartmentはmajor、つまり全てを私なりに訳してみると「社会科学部、国際法?国際関係学科、国際法専攻」となります。このように、私たちは同じ「英語」という言語を共通語としてコミュニケーションをとっていますが、トルクメニスタン独自の英語使用法があります。

それはさておき、後期が始まって2か月が経ちました。昨年9月からの5か月間で色々と学んだので、今学期は先学期より上手くやれているように思います。4月で滞在8か月目となります。

先学期は英語の苦手な学生や日本語学習に対して消極的な学生に苦労しました。IUHDで日本語は「選択科目」として設けられているのですが、基本的に学生の履修科目は既に決められており、実質的には全て必修科目と言えます。おそらく教員不足や、一教員の担当する学生数の不均衡を是正するために、今のところ選択科目がない状態なのではないかと思います。とある国で中等教育レベルの生徒を教え、日本語が必修科目ゆえにやる気のない学生のモチベーションを高めることに苦労した経験から、私は高等教育の言語講師になりたいと思いました。幸か不幸か、今回も結構やりがいのある環境に置かれることとなりました。

今学期は、クラスを2つのグループに分けることにしました。教室に残って日本語学習を継続するグループと辞書を写すグループです。演習組は先学期同様日本語を勉強しますが、今回は希望者だけのグループが出来たので、先学期よりもより早く進めることができています。課題組は270ページの『日本語?トルクメン語辞書』を書き写し、宿題も試験もありません。ちなみに辞書ですが、日本人とトルクメン人の日本語講師たちが協力して2015年にこちらで出版されたものです。先学期の終わり頃、クラス全員が一人一冊この辞書を持っていることを条件にしたことで、IUHDで日本語を勉強している学生は一人残らずこの辞書を持っています。

IUHDでは、「SIS」と呼ばれる成績評価システムがあります。「Student Information System」という意味です。学生の成績は3つの数値の結果から構成され、ひとつはSIW(student’s individual work )と言って、課題や授業参加度?態度等、教員やクラスごとに評価方法が異なるものです。残りの2つは中間試験と期末試験の点数です。SIWは全体の25%、中間試験の結果は30%、期末試験の結果は45%で換算され、最終的な学生の成績が決まります。課題組のSIWは、授業に来れば50%、辞書の写しを行えばもう50%としています。毎授業ごとにチェックします。演習組は先学期同様、毎回の小テストや宿題の出来具合によってSIWを考慮します。中間試験までに130ページ写せた課題組の学生は、試験は受けませんが中間試験の得点として51点得ます。同様に、期末試験までに残り140ページを写し終われば、期末試験の成績として51点得られます。単純計算すると、一度も授業を休まなかった辞書組の学生の最終成績は、63.25点(25+51*30%+51*45%=25+15.3+22.95=63.25)となります。今学期の初め、以上のことを学生に説明し、一週間考える時間をあげました。先学期の成績よりこちらの方がいい点数である学生たちは、もちろん辞書を写すことを即決していました。

しかしながら、中にはどちらがいいのかなかなか決められない学生もいました。そうした学生たちには、初め授業に参加してみて、途中で辞書を写して一定の点数が約束されてるグループに移ったほうが得だと思えば、その時にグループを変えていいよ、とお伝えしました。今のところ3人が演習組から課題組に移りました。ただ、課題組から演習組に戻ることは許していません。大抵の場合、理由は「やっぱりもっといい成績を取りたいから」ということなのですが、もう2か月も経ちましたし、他の学生に追いつくことは難しいと思うので、申し訳ないですが断りました。今だに、さらなる交渉にやってくる学生はいます。一旦例外や特別扱いを一人に認めると、ここでは大変なことになるので、交渉には乗りませんが、学生たちとそうやって話したり意見交換するのはとても楽しいです。時々、学生たちの言っていることは的を得ていたり、理に適っていたり、外国人の私には知らされていない暗黙了解の現地ルールが知れたりします。もし学生の方が本学あるいはトルクメン文化において妥当なこと言ってるなー…と思ったら、妥協するというか、臨機応変に対応しています。

この今学期から採用したクラス分けシステムのおかげで、ようやく日本語が教えられる環境が整ってきました。欲を言えば、もう一人くらい先生がいてくれると有難いなと思います。私が全ての授業を担当しているので、一応「ネイティヴ(?????)日本語講師」なのですが、学生たちはあまり日本語を使う必要性を感じていないようです。授業の質は先学期に比べ、非常によくなったと思いますが、まだ満足していません。ここでの私の教え方は文法説明が主になっています。もっとコミュニカティヴな授業をしたいものです。学生も私も授業中活発にインターアクションを取ってはいます。学生同士でも授業中よく助け合っています。例えば、最初に私の英語での日本語の文法説明が理解できた学生がトルクメン語で他の学生にもう一度説明してあげることもあります。そういう時は、結構彼らに任せています。皆が納得すれば静かになるので、次に進んでいいタイミングは分かります。しかし、次のステップとしては、こうした意欲ある学生たちがもっと日本語を使いたくなるような雰囲気作りが必要だと思う今日この頃です。

2月 活動日誌

2017年2月
GJOトルクメニスタンコーディネーター 十亀 侑子

アシュガバットではあまり雪は降らないと聞きましたが、今年はよく雪が降っています。真っ白なアシュガバットの街は息をのむほど美しいです。2月末頃からは日中暖かい日差しが注ぐようになりました。

2月2日から二学期が始まりました。先学期は3つのグループ(国際外交専攻AとB、国際政治専攻)に日本語を教えていましたが、今学期からもう1つ教えるグループ(国際私法)が増えました。先学期に引き続き、GJO活動の一環として行っている早朝と午後の課外授業も行っています。ただ、早朝の授業は三学期制度の1年目の英語準備科の学生のスケジュールに合わせているため、彼らの試験期間と春休みが終わるまでしばらくお休みです。先学期、初めのころは多くの受講生がいたのですが、色々な理由で学生たちは忙しく、学期末には参加者が少なくなっていました。最後まで続けて受講していた学生には申し訳ないですが、今学期は再びゼロから教えることにしました。また、午後の自由参加の授業では、2名の学生に講師を務めてもらうことにしました。先学期、午後の課外授業を大々的に開始する前から日本語を勉強していた学生2名に、課外授業後、特別授業を行ってきました。彼らは自主学習の姿勢が身についており、英語運用能力も高く、他の学生よりも早く教科書を進めてきました。1名が読み書きのクラスを週2日担当し、もう1名が文法のクラスを週2日担当し、私は1週間に1回演習を担当します。教育経験がなく、教育分野専攻ではない学生にクラスを任すことには少々不安はありますが、本学のように現地教員と日本人教員が揃っていない環境では、面白い試みだと思っています。こちらは今学期の私の時間割です。

先学期、学部長のアドバイスを受けて、学生向けの掲示板で「ウィークリー?ジャパニーズ」というコーナーを始めました。一週間に一言、日本語のフレーズを覚えるコーナーです。学期途中から、早朝のグループに参加していた学生に任せることにしました。特に女子学生はイラストやデコレーションを加えて、きれいに作ってくれました。学部生の期末試験中に「がんばって」を作成してくれた学生もいます。みんな、創造性豊かです。

2月15日16日に世界の文化フェスがありました。初日は各国料理対決で、2日目はステージで文化紹介と出し物がありました。日本文化担当のグループには色々とアドバイスしましたが、料理はケータリングで着付けは自分たちでするとのことだったので、特に文化理解度等は気にしないでおきました。本人たちが楽しむのが一番だと思ったので。

先学期は全く何もわからない状態から始まりましたが、今学期は先学期の失敗や成功を踏まえ、頑張っていきたいと思います。

1月 活動日誌

2017年1月
GJOトルクメニスタンコーディネーター 十亀 侑子

国際人文開発大学のトルクメニスタンにおける位置づけ

本学は、トルクメニスタンで初めて全ての講義を英語で行うことを試みる大学です。2014年に設立されました。これまでトルクメニスタンでは5年間の大学教育で学士号と修士号を取得するというロシア式の教育が行われてきました。しかし、それで得られた学位は、海外では修士号取得済みと認められないため、特に欧米の教育制度に対応する大学教育のあり方が今、求められています。国際人文開発大学では、5年間の大学教育のうち、最初の1年間を英語学習に費やします。この1年間、新入生は言語教育学科に所属し、翌年から続く4年間で専攻する科目の授業を英語で受けることが可能なレベルにまで英語運用能力を高めます。この1年間の英語教育を受けた後の学生たちは、日常のコミュニケーションには不自由しないほどの英語能力を身につけられていると言えます。

学部、学科、専攻

IUHDには5つの学部があります。そのうちの一つは初年度の学生に英語教育を行うLanguage Learning Department (LLD)です。残りの4つの学部が学士号取得のために開設されている学部です。人文学部、国際法?国際関係学部、国際経済?経営学部、情報工学部です。私は国際法?国際関係学部に所属しています。人文学部と国際法?国際関係学部は同じ所属機関に属しており、国際経済?経営学部と情報工学部は同じ組織です。この図では表記されていないもう一つ上のレベルのカテゴリーが存在します。IUHDの学生たちは毎朝朝礼に出なければなりませんが、その際は、LLDとSocial ScienceとEconomics and Managementの3グループに分かれています。情報工学と経済?経営はかけ離れた学問分野ですが、本学では同じカテゴリーに含まれます。LLD以外の学部には下位カテゴリーである学科があります。

人文学部には総合人文学科、哲学社会学科、ジャーナリズム学科、言語学科があります。国際法?国際関係学部には国際法学科と国際関係学科があります。国際経済?経営学部は国際経済学科、財政学科、経営学科に分かれています。情報工学部にはコンピューターテクノロジーネットワーク学科と最新コンピューターテクノロジー学科があります。さらに、それぞれの学科には図で示されている専攻が存在します。朝礼時のグループと学科、両方とも英語では「department」と呼ばれており、本学では2つの「department」という概念が存在します。かなり急ピッチで組織編成が行われたのではないかと推測します。

本学で日本語を勉強しているのは国際関係学科の学生たちです。図では緑で表示されています。今学期は国際関係と国際政治専攻の学生3グループに授業を行っていますが、来学期からは国際私法専攻の学生たちのグループも追加されます。国際関係学科は昨年度閉校したトルクメン?トルコ国際大学に所属していた学生を受け入れました。トルクメン?トルコ国際大学にも多くの学部があり、学生たちは専攻ごとに各大学や研究機関に編入を余儀なくされました。本学では、国際関係専攻の学生を受け入れたようです。

日本語は選択科目として設けられていますが、実際学生たちは月曜日から土曜日まで毎日2コマ、大学によって決められた授業に出なければなりません。つまり、日本語も実際には選択科目ではなく必須科目のような状態です。編入生たちは、そもそも英語で各授業を受けるという本学の教育方針に期待して受験して入学した学生ではありませんし、ましてや日本語を勉強すると夢にも思っていませんでした。彼らには少々同情します。本学はまだ設立して間もなく、学部2年生までしか本学の学生はいませんが、トルクメン?トルコ国際大学の国際関係専攻の1年生から5年生全員が編入してきたものですから、本年度のはじまりは大変であったと思います。さらに、そこに新しく赴任してきた初の外国人講師、つまり私が加わったものですから、9月に本学、特に本学部がてんやわんやしていたのは仕方なかったのだな、と今振り返ってみるとそう思います。

12月 活動日誌

2016年12月
GJOトルクメニスタンコーディネーター 十亀 侑子

日本語講師としての役目

こちらに赴任してきて4か月目となりました。右往左往していた最初の数か月とは異なり、大学での私の立場や役回りといったこともだんだんと把握でき始めたような気がします。基本的に、教授内容というよりも外国人講師という私の存在自体が非常に重要視されています。2015年のパートナーシップ締結後、日本語教育の普及が国の重要事項となっています。そのような状況下で、現在トルクメニスタンの教育機関に所属する日本語のネイティブ講師は私一人です。イベントの際にテレビ局の取材に駆り出されることも多いです。当初は私一人であった外国人講師数も、「国際大学」という名に恥じぬよう、現在は4名の外国人講師が本学で勤務しています。今月からケンブリッジ大学から私と同様の契約で赴任してきた先生も加わりました。

日本文化デー

今月はDiplomat’s Clubが主体となってJapanese Daysというイベントを開催しました。12月16日17日と2日間に渡る学校行事でした。もともとは数か月前から日本大使を招待して講演を行うよう私が企画したイベントでしたが、はっきりとした原因もわからぬまま大使の訪問は実現されませんでした。その代わりと言っては何ですが、開催1週間前にどこからともなく湧いてきたJapanese Daysの監督を任されました。忙しい1週間でした。

DAY 1

1日目は朝から浴衣を着て登校してくる学生に挨拶をして、前日に準備したホールの展示物の紹介をしました。お昼休みに習字のコーナーを設けました。当初は「寿司作り」をお願いされましたが、風邪が流行中で私自身も風邪を引いてしまっていたので、衛生管理上お断りしてDiplomat’s Clubの学生たちをがっかりさせました。しかし、意外と習字のデモンストレーションも好評で、自分の名前を習字で書いてほしいと言って長蛇の列ができるほどでした。放課後には第二次世界大戦、特に広島を題材にしたドキュメンタリー番組を希望者が見ていました。こちらも意外と学生が集まっていていい意味で驚きました。

DAY 2

2日目は面白いことを行いました。ケンブリッジ大学から赴任してきたダイアナ先生が着物を着たいと言ったので、彼女に着付けをしてあげて、私はいつものようにトルクメンドレスで、朝礼後の学生たちを迎えました。学生たちだけでなく他の先生方も含め、なかなか皆さん困惑気味でした。社会学者のダイアナ先生は結構その様子を楽しんでいました。12時から大使のピンチヒッターとして私が1時間ほどの講演を行いました。最初のパートは日本に関する基本的な情報を紹介しました。次のパートは日本とトルクメニスタンの2か国間の関係について話しました。そして最後に、文部科学省の奨学金制度等、トルクメニスタンから日本留学を行う場合に役立つ情報を提示して終わりました。この講演で私はずっと日本語で話し、一人の学生に英語で通訳してもらいました。もちろん、通訳と言っても台本はありました。まだ、通訳ができるほどの学生はもちろん育っていません。たった4か月ですもの…。そのあとは、月一回開催されるアザディ大学での「日本語実践クラブ」に参加するため、急いで片づけを済ませ大学をあとにしました。

おりがみコンテスト

学生たちのアイデアで、Japanese Days期間中に折り紙コンテストを行いました。結果、参加者2名、応募作品3点とこじんまりしたコンテストとなりましたが、提出された作品は全て渾身の一作でした。来月の月初めの朝礼で表彰する予定になっています。

12月は年末であり年度末でもあるので行事の嵐です。そんな忙しい中で日本に関する学校行事を企画してくれた先生と学生たちには感謝します。

10月 活動日誌

2016年10月
GJOトルクメニスタンコーディネーター 十亀 侑子

日本語の授業について

本学では、学部の授業は主に午前中の2セッションで終わります。初年度のLLD (Language Learning Department)に所属している学生だけ、午後の14時半ごろまで授業があります。私は3グループを対象に正規の授業を行っています。(1)IUHD(International University for the Humanities and Development)のInternational Relations and Policy専攻の学生1グループ、(2)TTU (Turkmen Turkish University) から編入してきたInternational Relations and Diplomacy専攻の学生2グループ。各グループに約20名の学生がいます。

午後はGJOの活動の一環として、希望者を対象に2クラス開講しています。(1)12:30から13:30まで、ゼロから日本語を学ぶ学生、約30名を対象に会話のクラス週2回、読み書きのクラス週2回、クラブ活動(折り紙や習字など)週1回、(2)13:30から14:30まで、以前から日本語の自主学習をしていた学生2名を対象に細かい文法説明も含めたクラス週5回。(3)午前6:30から7:30まで、午後2時半頃まで正規の英語の授業があるため上記のクラスに参加できないLLDの学生数名のために11月より開講。LLD所属の学生は午後、行事に参加することも多く、学生も私もお互いに午後の予定は不確定であることと、一年目は英語学習に集中するべきだと思うので、当初は追加講座を断っていましたが、希望者の数がいまだに多いので、学生たちにとっては朝早すぎるそうですが、最も確実に毎日時間が取れるであろう早朝に開講することにしました。

IUHDの学生のクラス

このクラスの学生たちは初年度からIUHDに所属し、LLDで英語を学んでおり、高い英語運用能力を持っています。基本的な支持から文法説明まで、英語で問題なく理解できていると言えます。

TTUからの編入生のクラス

今年に入って、これまで唯一の外資系大学であったTTUが閉校したため、そこの大学の学生はそれぞれの専攻に見合った他大学への編入を余儀なくされました。本学は、国際関係専攻の学生を受け入れました。私は合計45名の編入生に日本語の授業を行っています。彼らは約20名ずつ2グループに分けられ、火曜日に1クラス、木曜日に1クラス、金曜日に2クラス合同で私の授業を受講しています。金曜日のクラスは、言語のクラスとしては人数が多いことと火曜日あるいは木曜日が祝日に重なった場合、授業の進行具合が異なってくることとから、金曜日のクラスでは言語学習ではなく、国際関係論をテーマとしたプレゼンやディベートを行っています。1回目のプレゼンの課題は海外向けトルクメニスタン紹介、2回目のプレゼンの課題は日本?トルクメニスタン関係に関する問題提起です。

①午後のクラス

学部生を対象に参加自由の初級クラスを行っています。参加者は約30名ほどで、数名の教師も参加しています。月曜日と木曜日は会話のレッスンで、ローマ字のみを使って基本的なフレーズを覚えるところから始めました。今は、コソアドを学んだところです。火曜日と金曜日は読み書きのレッスンで、他の曜日にローマ字で学んだことをひらがな?カタカナで表記する練習をしています。今は、かな表を見ながら特定の文字を探す方法や濁音、拗音、促音、撥音の表記方法を学んでいるところです。水曜日は折り紙や習字など文化的な活動を行っていく予定です。

②午後のクラス

IUHDの正規のクラスから1名と、専攻が異なるため正規のクラスは受講できないが以前から日本語に高い関心を持っていた学生1名、合計2名に集中講座を行っています。当初は、午後のクラス①だけでも負担なので、それ以上の慈善追加授業は行わないと言っていましたが、学生の強い希望があり、開講することにしました。その条件として、他の学生よりも先に進み、より深く文法を理解することを求めています。そして、できれば来学期あるいは来年度から初級のクラスの文法解説や読み書き導入を担当してもらおうと思っています。IUHDはすべての授業が英語で行われることを理想としていますが、学生の理解を高めるために教師がトルクメン語で説明することも多々あり、特に日本語の授業では、文法解説をトルクメン語で行ってもらえると助かると思うからです。また、来年度の午後のフリーレッスンがに学年対象になったときに私一人では対応しきれないことが確かなので、このクラスを開講することに決めました。ちなみに、数名の意欲ある学生が先に深く日本語を学び、初級の学生に来年度日本語を教えるというのは学生からのアイデアです。もしこのアイデアが実現し成功すれば、日本語講師不足で悩んでいる他の教育機関へ対するいいモデルとなるかもしれません。

③午前のクラス

LLDに所属する初年度の学生は毎日14:35まで、水曜日は15:15まで授業があります。また、彼らは公式行事への参加頻度も高く、毎日授業を行うことが難しいです。そこで、時間があるときにGJOに来て自主学習なり集団学習なり、日本語を勉強して私にいつでも質問できる環境を提供しています。しかし、熱心な学生は未だに追加授業を希望しにオフィスにやってきます。彼らの日本語への高い関心に心を動かされ、お互いに忙しい午後ではなく、午前6時半から7時半に開講することを伝えました。学生にとっては朝早いそうですが、本当にやる気があるならできるでしょう。

以上が、私がIUHDで担当している日本語の授業です。日本語に興味関心を抱いている学生は予想以上に多く、いい意味で驚いています。自由参加のレッスンでは、参加人数が減少することを予測していましたが、今のところ数は減っておりません。また、LINEの日本語クラスのグループチャット参加者は今でも日々増加しています。それゆえ、日々とても忙しいですが、充実した毎日にとても感謝しています。

9月 活動日誌

2016年9月
GJOトルクメニスタンコーディネーター 十亀 侑子

国際人文開発大学について

本学は、トルクメニスタンで初めて全ての講義を英語で行うことを試みる大学です。これまでトルクメニスタンでは5年間の大学教育で学士号と修士号を取得するというロシア式の教育が行われてきました。しかし、それで得られた学位は、海外では修士号取得済みと認められないため、特に欧米の教育制度に対応する大学教育のあり方が今、求められています。国際人文開発大学では、5年間の大学教育のうち、最初の1年間を英語学習に費やします。この1年間、新入生は言語教育学科に所属し、翌年から続く4年間で専攻する科目の授業を英語で受けることが可能なレベルにまで英語運用能力を高めます。この1年間の英語教育を受けた後の学生たちは、日常のコミュニケーションには不自由しないほどの英語能力を身につけられていると言えます。

この大学は将来のエリート、特に外交関係に携わる人材を育成することに力を入れていることが見受けられます。学生の多くが外国に興味を持っています。ソ連からの独立後、前大統領の政権下では教育が軽んじられました。義務教育で十分とされていたため、人々は国内にいる限り高等教育を受ける機会がありませんでした。しかし、現在の大統領の政権下で、トルクメニスタンは目覚ましい発展を遂げ、現在は欧米諸国でも通じる国際的な人材を育むことに尽力しています。ゆえに、本学の講師に間にも十数年間ほどのギャップが見てとれます。教師は旧ソ連時代に学位を取得した世代か20代の若い教師が多いです。

学校生活一般

女子学生の制服は伝統的な赤のトルクメンドレスです。男子学生はワイシャツにズボンとネクタイを着用します。男女ともに伝統的な帽子をかぶることが決められています。女性の先生は、学生との違いを明らかにするため暗めで濃い色のトルクメンドレスを着ます。また、既婚者には特定の頭のスカーフの巻き方があり、未婚者であるか既婚者であるかは明確にわかります。

授業は8:30から始まります。その前に、8:00から朝礼があり、そこで点呼を行い、様々なお知らせが伝えられ、服装検査の後、生徒たちはそれぞれの教室に向かいます。今学期の初めは、45分授業+10分休憩+45分授業の合計100分で1セッションでしたが、第2週目から休憩なしの90分授業スケジュールに変更となりました。学部の授業は概ね2セッションで終了、つまり午前中で多くの授業が終わります。しかし、1年目の言語教育学科に所属する生徒と先生たちは1日3セッション行っています。教師はだいたい15:00まで大学にいることが望まれていますが、通常業務をこなしていれば15:00丁度に帰宅することは難しいです。多くの教師が夕方まで残って仕事をしています。もしかすると、年度始めだからかもしれません。

キャンパス内には3棟の寮があり、2棟が女子寮で1棟が男子寮となっています。地方出身の教師も寮に住むことができます。学生は1部屋に2人で生活しますが、教師の場合、2人部屋が1人に与えられています。20:00には夜の点呼があり、それ以降、学生は外出することが許されません。教師は月に数回、夜間の寮の見張りを担当します。23:00まで各寮の担当者は万が一に備えて警備室で待機していなければなりません。これは寮に滞在する教師だけでなく、学外に住んでいる教師も請け負わなければならない役目です。

キャンパス内ではトルクメン母語話者の他にロシア語母語話者の姿が見られます。トルクメン人は話し相手によって言語を切り替えています。今のところ私だけが外国人教師のようで、私に対しては英語を使ってくれます。授業以外では主にトルクメン語が使われます。朝礼や夜の点呼もそうです。これは、学生が十分に情報を理解するためだそうです。

最後に、今年度ロシア語?トルコ語主体の大学から本学に転入してきた学生が多くいることを伝えておきたいと思います。彼らはトルクメン語とロシア語を得意とするので、英語にはまだ慣れていないようですが、転入学生なので通常本学の入学生に課せられる初年度の英語教育を受けていません。本学での正規の日本語講義は、初年度から本学で勉強している生徒と転入生双方のグループを対象としていますが、クラス分けが学生の英語の能力で行われていることが推測されます。言語能力だけではなく授業態度にも大きな差があるので、国際人文開発大学の学生は非常に優秀であると感じます。

教室設備について

新設された大学なので、最新技術が導入されているようです。しかし、wifiの速度は日本と比べると非常に遅いです。各教室にデジタル時計、ホワイトボード、プロジェクターが設置されています。しかし、ボードマーカーは支給されないため、主に学生が持参します。私の場合は自分で購入しています。教室によってワイプがなかったり、プロジェクターのリモコンがなかったりとまちまちです。プロジェクターはHMDIと相性が良く、他のソースでは不具合が多々生じます。配布物は数枚印刷し、何人かでシェアすることが主流のようですが、学内イントラネットを通してダウンロードすることができます。ただ誰もそれを活用したことがなく、学生の認知度も低いです。現在はモデルとして私の学生にメディアリテラシーも学んでもらっています。

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